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- 発売日
- 2008-11-25
- 作者
- 猪瀬直樹
- 製作
- 草思社
- 価格
- ¥ 1,680
- ランク
- 5076
- カテゴリ
- [ハードカバー] [草思社] [猪瀬直樹]
- 地方分権改革の問題を、具体例とともに分かりやすく説明した、教科書的な良書です。
そもそも地方分権とは何なのか。それを著者は「霞が関の解体」、つまり官僚機構の中央集権を崩すこととしています。
毒入り冷凍ギョーザや事故米を見抜けなかったり、廃校になった校舎を老人ホームとして利用しようとしてもできなかったり、待機児童が増えているのかで保育所が増えなかったり……
これらすべては、官僚機構の“害”がもたらしたことなんだと、強くうなずけます。
私が強く感じたのは、著者が「新しいライフスタイルのなかでのニーズに役所が追いついていないということを物語っている」と書いているように、霞が関の官僚にすべて任せていたら何もかもが後手にまわり、日本がそのうち引き返せない事態になってしまうだろうという予感です。
それを防ぐためにも、さらなる地方分権の改革の成功と著者の活躍を期待しています。
- なんといっても、役人との生々しいやりとりがそのまま収録されているのが良い。この著者らしく、データをもとに真正面から官僚を追いつめてくプロセスも面白いのだが、一方で「国交省の出先機関が無傷ですむと思ったら大間違いです!」と国交省の役人に啖呵を切ってみたり、「談合の反省で生まれたコンプライアンス委員会の人が、また談合で逮捕された。どういうことなのか分かるように説明してほしい」と意地悪に迫ってみたり、とにかくいろんな方法で「火の手」を上げているのはお見事としかいいようがない(そうしてくれないと、われわれにはなかなか問題が見えてこない)。日本の将来を論じる本をエンタメのように読むのは不謹慎かもしれないが、著者の毒舌(?)に溜飲を下げつつ楽しく読んだ。
ともかく、官僚の肉声にふれることで、役人というものの生態がダイレクトに伝わる。税金がいかに恣意的かつばかばかしい論理で使われているか(みえないところで使われてきたか)、泣きたくなるような現状が認識できる。が、こうした審議が行われ、プロセスが公開されたことは大きな希望だといえるだろう。
- 最近はやっている「霞ヶ関本」。しかし、残念ながら、あまり面白い本ではなかった。
結局、この本は、分権委員会での官僚とのやりとりを、議事録をもとにして、重要な部分を取り出して載せたものだと思うけど、会話をそのまま載せているので、面白みにかける。会話の内容も猪瀬氏特有のネチネチした感じだし、しかも、話が官僚と微妙にかみ合っていないときすらある。取り上げているテーマも、総花的だ。しかも、各テーマとも細かい数字にこだわりすぎで、分権委員会の目的の全体像がいまいちみえない。そのわりに、図や表はまったくないので読みにくい。
政治評論家の屋山太郎氏は、分権委員会での官僚1人1人を呼んで意見を聞くやり方自体を批判していました。
また、本文中、たまに挿入される、作家気取りの松本清張の話なんかも、なんの効果をねらったのかわからなくて、邪魔なだけだった。
話はそれるが、はっきり言って、自分は、猪瀬直樹のパーソナリティがあまり好きではない。また、他著、「ミカドの肖像」なんかも、何が面白いのか分からなかった。
この本も、残念ながらお勧めできない。
- 国家公務員33万人のうち、21万人は地方の出先機関にいるのだという。そして、予算と権限をがっちりと握った彼らが明治このかた営々と築き上げてきた「見えない支配システム」とでもいうべきものが日本を覆い尽くしている。
問題はずっと前からはっきりしている。なのに、いつまで経っても変わらないのはなぜなのか。その答えが、この本を読んではじめてわかった。マスコミが垂れ流す通り一遍の役人批判では何も変えられはしないのだ。本当にこの国を変えようと思うのなら、霞が関のエリートたちを凌駕する理論と、意志と、そして何よりビジョンが必要で、そこには日本のメディアに決定的に欠けている当事者意識(または健全な与党精神といってもいい)が必要になる。
この本は、まさにその「当事者意識」にあふれる著者たちの、体を張った戦いの記録だ。今のところは、強大な正規軍に立ち向かうゲリラのような存在なのかもしれないけれども、このゲリラが勝利しないかぎり日本に未来はないのではないか。
他にこんなのは如何ですかな?
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