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- 発売日
- 2008-01-10
- 作者
- 猪瀬直樹
- 製作
- 文藝春秋
- 価格
- ¥ 620
- ランク
- 104106
- カテゴリ
- [ペーパーバック] [文藝春秋] [文学] [評論] [全般] [猪瀬直樹]
- 女性の一人称で書かれた作品です。
登場人物も少なく、菊池寛とその秘書「わたし」、それに朝鮮半島出身の馬海松の三人です。しかも、「わたし」を中心に三角関係なのですが、これはサイド・ストーリーです。
本筋の話は、「わたし」が、社長である菊池寛の人となりから小説の本質まで、その真実を探るものです。従って、「わたし」を探偵役としたミステリー仕立てと言っても良いかも知れません。それに馬海松という第三者を埋め込むことで、物語は深みのあるものになっています。
この菊池寛論の最大の山場は、「わたし」が菊池寛のことが少し解ったような気がすると、馬海松に出した手紙の部分です。
それは、彼が敢えて「心の王國」と題して、漱石の「こころ」に対抗していると言うものです。「こころ」の二人には生活感がなく高踏的な部分が、小説の領域を狭めているというもので、「芸術」か「共感」かと迫っていると言えばいいのでしょうか。その意味で、菊池寛は漱石のアンチ・テーゼとしての作品をかいているとするものです。
言われて見ればそうかなと思うし、もう一度両者を読み比べて見たいなとも思います。
巻末には、対談が二つ掲載されています。こちらも興味深く読むことが出来ます。
「漱石の『こころ』と菊池寛の『心』」(井上ひさし、猪瀬直樹)
「『昭和モダニズム』の時代」(久世光彦、猪瀬直樹)
- 菊池寛という作家は名前は有名なんだけど、大衆小説ばかり
書いていて、夏目漱石や太宰治のように、現在誰でもが一度は
読んだことがある、という作家ではない、ということで、
名前以外には、全く知りませんでした。
かなりスケールの大きな「親方」であったのに驚きました。
本書は架空の秘書の視点で菊池寛を描いており、菊池寛の人となりだけ
ではなく、主人公の心模様も非常に面白く、するすると読めました。
と同時に、食べ物や家具など、「もの」への視線が目立つ作品でした。
チッキンライスにそっぷ炊き、うまそうでしたねぇ。
他にこんなのは如何ですかな?
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